CTPって何? 印刷の品質とスピードを支える“縁の下の力持ち”!

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皆様最初に印刷関係のお仕事にたずさわった時のことを思い出してください。

会社に入社して最初に驚くのが、「思っていたより工程が多い!」という心の声。
その中でも見逃されがちだけど、とても重要なのが**CTP(Computer to Plate)**という工程です。

今回は、製版会社の立場から「CTPって何?」「どんな役割があるの?」を、初心者の方にもわかりやすくお伝えします!

CTPとは?

CTPは「Computer to Plate(コンピューター・トゥ・プレート)」の略。
パソコンで作ったデザインデータを、直接「刷版(さっぱん)」に出力する技術のことです。

昔は、一度フィルムに出力して、それを使って刷版を作っていました。
でも、CTPが登場してからは、フィルムなしで版が作れるようになり、スピードも精度も大きく向上しました。

CTPが果たす3つの重要な役割

① 色の再現性がアップ!

CTPは、デジタルデータの色や細かい表現をそのまま版に反映できます。
この高精度な出力によって、「モニターで見た色」と「印刷物の色」の差を小さくすることが可能になります。

② 作業の効率化に貢献!

フィルムを使わないことで、製版の手間と時間を大幅に削減。
短納期の仕事にも強くなり、ミスも減るという、いいことづくめの工程です。

③ 安定した品質を提供!

出力条件(線数や角度など)をデータで管理できるので、どの版も安定した品質で出力できます。
現場で「今日はうまくいったけど、明日はどうかな…」なんて不安は少なくなります。

印刷の“土台”はCTPで決まる

印刷現場では、色合わせや紙の調整など、いろいろな工夫がされていますが、
その土台になるのがCTPで出力された「版」そのものです。

たとえば、網点の角度や線数の設定が適切でなければ、どれだけ良い機械やインクを使っても美しい印刷にはなりません。
つまりCTPとは、「見えないけれど、印刷の品質を決める設計図」のような存在なのです。

製版会社は“色と版のプロ”

当社では、印刷会社様の印刷機や用紙に合わせたCTPの出力条件を個別に管理しています。
「校正と本刷りの色が合わない」「細かい文字がつぶれてしまう」などの印刷現場でよくある悩みも、CTPでの工夫や設定で防げることがたくさんあります。

まとめ

印刷の現場に入ったばかりの方は、「版ってただの印刷前のステップでしょ?」と思うかもしれません。
でも実は、**CTPは印刷の“はじまり”であり“要(かなめ)”**なのです。
製版の仕組みがわかれば、印刷の仕事がもっと面白くなるはずです!

小島格
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